UNKN_LEVEL: ★☆☆:日常

7400万年前の巨大な足跡、進化の謎を解き明かす

7400万年前の巨大な足跡、進化の謎を解き明かす

巨大な骨、ラボを揺るす

雨は止んだようだった。

長靴についた泥を払いながら、潮目研究員はラボのドアを開けた。

「いやはや、今日もフィールドは手強かったですよ!」

妙な荷物を抱えながらドタバタとラボに駆け込んできた潮目研究員。

その足元で、ナギが静かにメンテナンスをしていた。

「お疲れ様です、潮目さん。またケーブル踏んでましたね」

ナギはため息混じりに、床に散らかったケーブルを片付け始めた。

「そんなことより、すごいですよこれ!」

潮目研究員は興奮気味に、手に持っていた何かをナギに見せた。

それは、泥にまみれた巨大な骨の断片だった。


驚愕の発見、古の巨影

「その骨、もしや…?」

ナギは、思わず手を止めた。

「そうなんです! 7400万年前の北米で発見された、ティラノサウルス類の脛骨ですよ!」

潮目研究員は、目を輝かせた。

Nicholas Longrichら(バース大学〔英国〕)は、米国ニューメキシコ州のカートランド累層(Kirtland Formation)で以前発見された化石化した脛骨(けいこつ)を調査した。

この地層の年代にもとづき、骨はカンパニアン後期(Late Campanian)、7400万年前のものと推定される。この脛骨は、全長960ミリメートル、直径128ミリメートルで、著者らはこれが最大級のティラノサウルス属「スー(Sue)」の脛骨と比較して、長さが84%、直径が78%に相当すると指摘している。著者らは、この骨の巨大なサイズ、寸法、真っ直ぐな骨幹、そして下端の三角形状から、ティラノサウルス属の近縁種に属する可能性を提案している。

その寸法から、このティラノサウルス類の体重は約4700キログラムと推定される。

出典: [古生物学:北米における異例の大きさのティラノサウルス類](http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/15492)

「4700キログラム…!? 現生種でも最大級って、凄すぎませんか!」

潮目研究員は、興奮で早口になった。

「ティラノサウルス亜科の初期進化の可能性…ですね。ということは、あのT-REXのご先祖様にあたるのかも」

ナギは、冷静ながらも興味深そうに骨を眺めた。


進化の岐路、強者の咆哮

「この骨の形状、T-REXやタルボサウルスと共通の祖先を持つ可能性を示唆しているらしいですよ」

潮目研究員は、さらにデータを読み上げた。

「北米南部で、ティラノサウルス属が進化したという仮説を裏付けるかもしれませんね」

ナギは、静かに分析を続けた。

「想像してみてください。7400万年前の北米大陸。こんな巨大な捕食者が闊歩していたなんて!」

潮目研究員は、目を閉じてその光景を思い描いた。

「自然界は、常に強者を生み出し、そして淘汰していく…壮大なドラマですよね」

ナギの声には、静かな感慨が滲んでいた。


夜明け前の出撃

「この発見が、更なる研究のきっかけになるのは間違いないですね!」

潮目研究員は、骨を抱えながら立ち上がった。

「しかし、この骨だけでは確実な同定は難しいでしょう。もっと完全な標本が必要ですね」

ナギは、現実的な視点を示した。

「もちろん! よし、ナギ君! この骨の情報を元に、また新たなフィールド調査に出よう!」

潮目研究員は、ワクワクした表情でナギを見た。

「…準備はできています」

ナギは、静かに頷いた。

ラボの片隅で、彼らのサバイバルバックパックが静かに佇んでいた。

夜明け前の闇の中へ、二人は新たな発見を求めて旅立っていく。

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